己を磨き、社会貢献の「DNA」を現代に生かす「ものづくり」を目指して

平成の幕開けと同時に産声をあげた株式会社六甲工芸社は、創業以来「ものづくり」を通して
お客様そして地域の皆さまとともに、その歩みを進めてまいりました。
創業者である私の父、つまり私どもの祖先のルーツは「堺商人」で、その中でも河内鋳物師に端を発する鋳物問屋を営んでおりました。
屋号は「金屋(かなや)」、当主は代々「庄兵衛(しょうべえ)」を襲い、私どもの代で十四代を数えます。
河内鋳物師は当時、梵鐘の制作や奈良の大仏製造にも携わったとされる、ものづくりの「大先輩」で後世に残る仕事をしております。
鋳造の技術は一子相伝とされ、その技法は他に一切漏らされることなく伝承されたと聞いており、作品も戦禍などで喪失されていますが、奇跡的に戦禍をまぬがれた大阪府堺市内の菩提寺に一部その製品が現存し、祖先の丁寧な仕事ぶりを目の当たりにすることが出来ます。
当サイトのアイコンにも使用している弊社の社章は、「八上」の「八」の字をデザイン化した「家紋」を、創業者(八上貞俊)がそのまま、その理念とともにひきつぐ意味もこめて使用しておりますが、現在残る鋳物作品にも「家紋」が配されており、脈々と続いてきた家業への誇りが伝わってくるようにも思われます。大正以前は今でいう宮内庁御用達も務めたと聞いており、真剣に「ものづくり」に取り組んだことと思っております。
「ものづくり」を通して、己を磨き、そして社会に貢献した祖先の「DNA」を今にも生かせますよう、品質第一をモットーに、この令和の新しい時代、弊社もより一層の努力を重ねながら、お客様のために、また地域の皆さまとともに、進歩してまいりたいと思っております。

株式会社六甲工芸社 代表取締役社長 八上 祐子